インドネシア語を学ぶにあたって最初に勉強することのひとつがアルファベットの発音です。入門の入門ともいえるかもしれません。
インドネシア語は英語と同じアルファベットを使っているので文字自体は覚える必要はありませんが、発音は英語と違うものもあるので注意が必要です。
今回はインドネシア語のアルファベットの発音と気をつけたいポイントを紹介します。まさにインドネシア語のABCをチェックしましょう!
インドネシア語のアルファベット基本
まずはアルファベットひとつひとつの発音を覚えましょう。以下のとおりです。
- A(a):アー
- B(b):ベー
- C(c):チェー
- D(d):デー
- E(e):エー
- F(f):エフ
- G(g):ゲー
- H(h):ハー
- I(i):イー
- J(j):ジェー
- K(k):カー
- L(l):エル
- M(m):エム
- N(n):エヌ
- O(o):オー
- P(p):ペー
- Q(q):キー
- R(r):エル
- S(s):エス
- T(t):テー
- U(u):ウー
- V(v):フェー
- W(w):ウェー
- X(x):エクス
- Y(y):イェー
- Z(z) :ゼッ
アルファベットの注意点
それではインドネシア語のアルファベットで注意したいポイントを見ていきましょう。ポイントごとに紹介します。
LとRの発音
日本人にとってやっかいな発音のひとつがLとRです。これはどの言語を学ぶにあたってもネックになるポイントではないでしょうか。
インドネシア人ネイティブが発音すると、Rの発音が超巻き舌になっていることがあります。
しかし、「自分は巻き舌ができない!!」と悲しむ必要はありません。インドネシア人でも巻き舌ができない人はいると聞いたことがあります。
英語でも学ぶように、Lは舌を上あごの歯の裏につける感覚で発音すれば大丈夫です。Rは舌をどこにもつけない発音ですね。(英語だとelectionとerectionの発音に注意なんて下ネタもありますね……)
LとRの単語をチェック
インドネシア語でLとRを使う単語を見比べてみましょう。
- Lahir(ラヒル):生まれる
- Lain(ライン):別の
- Lagi(ラギ):ふたたび、また
- Lama(ラマ):長い、期間
- Lantai(ランタイ):床、階
- Lapar(ラパール):空腹な
- Ragi(ラギ):酵母、イースト
- Rajin(ラジン):勤勉な
- Ramah(ラマ):愛想がいい、フレンドリーな
- Rantai(ランタイ):鎖、チェーン
- Rasa(ラサ):味
さりげなく入れてみましたが、カタカナにすると同じ発音になる単語もあります。ラギやラマ、ランタイなどです。
外国人慣れしているインドネシア人であれば文脈で理解してくれると思いますが、できる限りLとRの発音に注意したほうがいいでしょう。
Eの発音
続いて紹介するのはEの発音です。Eはエと発音するときとウのように発音するときがあります。
文章中での表記は全部E・eなので違いがなく、ひとつひとつ覚えるしかありません。インドネシア語の辞書を見ると、eの上に点がついてエの発音になることを教えてくれている辞書もあります。
ウのような発音はあいまい母音と呼ばれていて、口をイのかたちにしてウというのが発音の方法です。
英語の発音をマスターした方であれば、personなどのəのような発音と思うと感覚がつかみやすいかもしれません。もしくは中国語のピンインのEの発音です(たぶん分かる人はほとんどいないと思いますが……)。
ただし、インドネシアのなかでもある地域の方言はEをすべてエで発音するようです。言語は伝わればOKなので、ウのような発音をできなくても開き直って全部エで発音してもいいかもしれません。
Eを使う単語
- Enak(エナック):おいしい
- Besok(ベソック):明日
- Emas(ウマス):金
- Enam(ウナム):6
FとVの発音
Fの発音は英語と一緒で上の前歯で下唇を噛みながら発音しますが、Vの発音もまったく一緒です。英語の発音に慣れてしまっていると、どうしてもVをヴィと発音してしまうかもしれません。
Vを使う単語
VIDEO(フィデオ):ビデオ
Vocal(フォカル):ボーカル
Vas(ファス):花瓶
Vaksin(ファクシン):ワクチン
Virus(フィルス):ウイルス
NとNGの発音
日本人にとってやっかいな発音にNとNGもあります。英語などのほかの言語を学ぶときも、意識して発音している人は多くないでしょう。
LとRの発音に似ていますが、Nは舌を上あごの歯の裏側につけます。NGは舌をどこにもつけず、音が鼻から抜けるいわゆる鼻濁音(びだくおん)の発音です。
日本人は意識しないとNの発音ができないかもしれません。普段の会話で忘れてしまうのは仕方がありませんが、ときおり思い出して意識するようにしましょう。
NG+母音は要注意!
NGのあとに母音が来るときは要注意です(nga・ngi・ngu・nge・ngoなどの発音)。
NGを発音するときにNとGを分けて考えてはいけません。どういうことかというと、たとえば、「○○してはいけない」を意味するjanganという単語があります。発音はジャガンになり、ジャンガンではありません。ガを発音するときに鼻濁音で発音します。
ジャンガンと発音する場合、インドネシア語的にはjangganの表記です(gがひとつ多い)。NとNGを区別しないと、理解はしてもらえるとは思いますがスムーズに聞き取ってもらえなくなりますよ。
Cの発音
Cはインドネシア語でチェーと発音します。ただし、例外としてエアコンを表わすACとトイレを表わすWCだけはセーの発音です。ACはアセ、WCはウェセといいます。それ以外は全部チャチュチョの発音で読めばOKです。
Cを使う単語
- Capek(チャペッ):疲れた
- Cepat(チュパット):速い
- Cuci(チュチ):洗う
- Cukup(チュクップ):じゅうぶん
- Curi(チュリ):盗む
インドネシア語のABCはこれでOK!
今回はインドネシア語のアルファベットの発音をご紹介しました。まさにインドネシア語のABC(アーベーセー)ともいえる内容です。
単語のスペルを聞いたときにアーイーエルといわれたらどんな単語を思い浮かべますか?答えはair(アイル)。水を表わす単語ですね!(航空会社のairasiaはエアエイシアと発音します。アイル アシアではありません……)
ぜひインドネシア語のアルファベットをすべて覚えて単語の暗記や文章の音読に役立ててください!