「あなたの名前は何ですか?」「あなたと会えてうれしいです」など、会話をするうえで絶対覚える必要があるのが相手を呼びかける方法です。
会話ってそもそも2人以上でするものですからね。相手の呼び方が分からないとギクシャクしてしまいます。
今回はインドネシア語で「あなた」という方法をご紹介します。自然に会話ができるようにしっかり覚えましょう。
あなた=Andaは間違い??
インドネシア語の教科書では、あなたを表わす単語としてAnda(発音はアンダ)が出てきます。Googleで「インドネシア語 あなた」と検索して最初に出てくる説明もAndaです。
実際にAndaには「あなた」という意味があります。しかし、出会う人すべてにAndaと呼びかけるのは間違いです。相手との関係性を考えて使わなければいけません。
なぜならAndaはとても丁寧な言葉で、親しい人に使うと逆に距離を作ってしまうからです。たとえば初対面の人を呼びかけるときなどはAndaでもいいでしょう(初対面でもAndaはあまり使いませんが…)。
すでに親しい関係なのにAndaを使うと、急にあらたまってどうしたの??と思われてしまいます。とくに意味もないのにずっとAndaを使っていると、「自分は親しく思われてないんだ」と相手に感じられてしまいますよ。
日本語でも、「あなた」という表現は教科書では出てきても普段はそれほど使いませんよね?夫婦などの特別な場面などは別ですが、相手にあなたというと失礼にあたることもあります。
インターネット上では見かけることもある
インターネットでは不特定の人にメッセージを発信しているため、ユーザー向けのメッセージとしてAndaを使うことがあります。これはもちろん間違いではありません。
しかし、インターネット上でもAnda以外の方法でユーザーを指す言葉を用いることもありますので、やはりAndaを使うときは注意をしたほうがいいでしょう。
敬称や名前を使うのが一般的
インドネシアで相手を呼ぶ方法として一般的なのが、敬称や名前を使う方法です。日本でも名前を知らない若い男性や女性に対して「お兄さん」や「お姉さん」と呼ぶことがありますよね?
同じようにインドネシアでも相手の年齢や性別などで呼びかける方法が決まっているので、名前を知らなくても敬称を使って呼びかけることができます。
たとえば、中年以上の男性や自分の父親と同じくらいの年齢の男性ならBapak(バパッ)と呼びかけます。女性の場合ならIbu(イブ)です。
もしくは相手の名前を使うこともあります。名前と一緒に敬称をあわせて使うとベターです。日本語の「○○さん」という感覚で敬称をつけます。
たとえば、アレックスさん(中年男性)なら「Bapak Alex」、ワティさん(中年女性)なら「Ibu Wati」です。
自分と同年代や年下など、親しい関係の人なら名前を呼びすてにしても問題ありません。逆にいつまでも敬称をつけていると距離を感じてしまいます。相手との関係性から呼び方を考えましょう。
KamuやEngkauもあなたを意味する
敬称や名前を使う間柄よりさらに親しくなると、Kamu(カム)やEngkau(エンカウ)を使うようになります(年下の人や子供を呼ぶときにも使います)。
KamuもEngkauもあなたを意味する単語で、ちなみに、Engkauの省略形がkau(カウ)です。
日本語でも親しい人には名前さえ使わずに「お前」と呼ぶことがありますよね。お前と聞くと少し乱暴な印象もありますが、KamuやEngkauには乱暴な意味はありません。あくまでも親しい関係を表わします。
なお、あくまでも私の感覚ですが、EngkauよりはKamuのほうがよく使われるような気がします。Engkauは目上の人ですでに親しい人に使われる場合があるといった感覚です。
ただし、KamuもEngkauも目上の人に使うと基本的には失礼にあたりますので、ぜひぜひ注意して使うようにしましょう!
動詞や名詞などのあとにつくmu
インドネシア語の文法の話になりますが、動詞の目的語や名詞の修飾語などとしてKamuの省略形であるmu(ム)を使うことがあります。
動詞の目的語になる場合とは、「あなたのことを愛しています」など、相手が動詞の対象になるケースです。
「あなたのことを愛しています」 をインドネシア語でいうと、Aku mencintaimu.(アク ムンチンタイム)となります。Kamuを省略せずにいうと、Aku mencintai kamu(アク ムンチンタイ カム)です。
省略してもしなくても意味は同じなので、慣れないうちは省略しなくても構いません。
名詞の修飾語になる場合とは、「あなたのカバン」など、ものの所有者を示すときです。ちなみにインドネシア語はTasmuとなります(インドネシア語では修飾語をうしろにつけるため)。
それではKamuがmuになる例文をいくつか紹介します。ぜひ単語+muの感覚をつかんでください。
- Melihatmu(ムリハットム):あなたを見ている
- Menyukaimu(ムニュカイム):あなたのことを好き
- Bapakmu(バパム):あなたのお父さん
- Punyamu(プニャム):あなたの持ちもの
- Bersamamu(ブルサマム):あなたと一緒に
- Denganmu(ドゥンガンム):あなたと一緒に
インドネシア語で相手と親しくなろう!
今回はインドネシア語で相手を呼ぶ方法をまとめて紹介しました。インドネシア語教材でよく出てくるAndaはあまり使わないというのは大事なポイントです。
ぜひ敬称を覚えて使うようにし、さらに慣れてきたらKamuなどの親密さを表わす表現にもチャレンジしてみましょう!!
インドネシア語の敬称はこちらでまとめてありますので、ぜひチェックしてみてください。↓↓